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関節リウマチ・リウマチ性多発筋痛症とは?症状・治療・検査と診断について

2024年8月1日

関節リウマチとは?

・関節リウマチとは、免疫の異常により関節に炎症が起こる病気
・2018年時点での国内の患者数は推定60~100万人
・40~60歳代での発症が多い傾向で、男性より女性に多い

関節リウマチの症状・初期症状

・主な初期症状は、手指や足の指、手首の関節などの痛みと腫れ、朝のこわばりなど
・進行すると関節の変形が起こり、関節を動かせる範囲が狭くなる
・また、倦怠感や微熱、食欲低下などの全身症状が出ることもある

関節リウマチの原因

・原因は未だ不明だが免疫系の異常が関係していると考えられている
・ほかにも遺伝的要因や、喫煙、歯周病などの環境要因の関与が指摘されている

検査と診断

・関節リウマチの疑いがあるときは血液検査や画像検査(エックス線検査など)を行う
・検査結果のほか、痛みや腫れのある関節の数と部位、炎症反応の有無、症状持続期間などをみて総合的に判断する

治療について

・治療の基本はお薬を使った薬物療法
・関節リウマチにおける免疫異常を改善する抗リウマチ薬のほか、炎症や痛みを軽減するお薬や痛み止めを使用することもある
・日常生活では症状が強いときは安静にして、落ち着いたら、適度な運動やリハビリテーションを行う

リウマチ性多発筋痛症とは?

・リウマチ性多発筋痛症は、関節リウマチと似た症状が出る炎症性のリウマチ性疾患
・50歳以上の中高年に多く発症する傾向で、男性よりも女性の患者が多い

リウマチ性多発筋痛症の症状

・リウマチ性多発筋痛症の症状は比較的急激にあらわれることが多い
・発病すると2週間以内に発熱、体重減少、倦怠感、筋肉痛(両肩、首、臀部など)、関節痛(肩や股関節など)が出現する

リウマチ性多発筋痛症の原因

・はっきりとした原因は分かっていないが、遺伝的要因を背景にした免疫の異常が関係していると考えられている

検査と診断

・リウマチ性多発筋痛症の疑いがあるときは血液検査や超音波やMRIなどの画像検査を行う
・ヨーロッパリウマチ学会、米国リウマチ学会の基準では「50歳以上」「両肩の痛み」「炎症反応の上昇」が必須条件となっている
・さらに、ほかの病気の可能性を除外した上で診断確定となる

治療について

・治療の第一選択薬は副腎皮質ステロイドで、多くの場合薬剤服用の1-3日以内に効果がみられる
・ステロイドが効果を発揮した後も継続して服用し、炎症を完全に鎮静化する必要がある
・日常生活では感染症予防のためにうがい、手洗い、外出時のマスク着用を心がける

全身性自己免疫疾患について

・全身性自己免疫疾患とは免疫のシステムが機能せず、自分の体の細胞を敵として攻撃してしまう病気の総称
・リウマチ性疾患のひとつに分類されている
・指定難病もあるが、早期発見・早期治療が上手に病気と付き合っていく上で重要になる
・ここでは4つの全身性自己免疫疾患の特徴や症状を解説

シェーグレン症候群とは

・シェーグレン症候群は、涙腺、唾液腺をはじめとする全身の外分泌腺に慢性的に炎症が起こる病気
・指定難病のひとつ
・男性より女性に多く、年齢層は50代がピーク
・関節リウマチの患者さんの約20%が発症
・主な症状は目の乾燥(目がごろごろする、かゆい、痛いなど)や口の乾燥、鼻腔の乾燥、関節痛、息切れなど
・疲労感、記憶力低下、頭痛といった全身症状があらわれることも多い

全身性強皮症とは

・皮膚や内臓が硬くなる変化が特徴の病気で、指定難病のひとつ
・30~50歳代の女性に多く見られるが、ごく稀に小児期に発症することもある
・初期症状として冷たいものに触れると手指が蒼白~紫色になるレイノー症状がみられる
・ほかには皮膚硬化や色素以上(皮膚の一部が白・黒くなる)、指先や関節背面の潰瘍(だたれ)などの皮膚症状がみられる
・間質性肺疾患や腎臓の血管障害による急激な血圧上昇、胸焼けなどが生じる逆流性食道炎も全身性強皮症が出現することもある

多発性筋炎・皮膚筋炎とは

・指定難病のひとつで、筋肉に炎症が起こることで力が入りにくくなったり、疲れやすくなったり、傷んだりする病気
・男性よりも女性に多く、60歳以上の方の発症が最も多い
・筋肉の症状がほとんどの患者さんにみられ、筋肉の低下によって腕を上げる、階段を昇る、食べ物を飲みこむなどの動作が難しくなる
・皮膚筋炎では皮膚症状があり、顔や指に紅い皮疹が目立つのが特徴
・倦怠感、疲労感、食欲不振といった全身症状が出現することもある

全身性エリテマトーデス(SLE)とは

・全身のさまざまな臓器に炎症や障害を起こす指定難病
・20~40代の女性が発症しやすい
・特に有名な症状は、両側の頬部と鼻に広がる蝶の形をした皮疹で、蝶形紅斑と呼ばれる
・ほかにも発熱、倦怠感、関節痛(主に手指)、皮疹、光線過敏症、脱毛、口内炎などの症状が出ることもある
・強い紫外線に当たると症状悪化の原因になるので、紫外線対策を日ごろから行う必要がある

リウマチ性疾患は何科を受診すればいい?

・リウマチ性疾患の疑いがあるときは、まずは内科のかかりつけの医師に相談するか、リウマチ科、整形外科を受診すると良い
・看板やホームページに「リウマチ科」と書かれている医療機関には、リウマチ性疾患の専門医がいる
・関節リウマチをはじめとしたリウマチ性疾患と思われる症状がある方は、リウマチ科の診療を行っている当院へご相談ください
・関節リウマチやリウマチ性多発筋痛症、シェーグレン症候群、強皮症、皮膚筋炎、SLEなどの疾患の診断、治療を行っています
・リウマチ性疾患は総合病院との連携が必要な合併症も起こりうるため、平塚市内の総合病院や近隣大学病院とも連携しながら診断や治療を行います
・リウマチ専門医が対応できる曜日が決まっているので、受診の前にはお電話でお問い合わせください